医者に殺されない・・・・

かなり遅くなりましたが、皆様、あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。
さて、年末、年始の休みもありましたので今はやり?の二つの本を読んでみました。
近藤誠先生の「医者に殺されない47の心得」と岩田健太郎先生の「絶対に医者に殺されない47の心得」です。
相変わらず近藤先生はズバズバと持論をわかりやすく解説していらっしゃいます。他方、岩田先生は日本人らしく中庸を心がけて解説していらっしゃいます。
ただ、近藤先生はどちらかといえば病気との付き合い方を中心に話されており、病院や医者にはことごとく世話にならない方がうまく病気と付き合えるという立場ですから、「君子危うきに近寄らず」といった感じでなんだが随分否定された感じになりました。
また、岩田先生は病気と付き合う上で、より厳選して医療と関わるよう話されており、どちらかといえば生活して行く中で参考にしやすい内容で構成されていました。
私は皮膚科が専門で、以前からいわゆる医者とは少し違うスタンスで医療に関わってきました。
私もどちらかといえば病院が苦手で、よっぽどでなければ我慢してなんとかしてしまいます。
ただ、皮膚に関しては病気が見えてしまうので、痛み痒みは我慢できても「見た目」が不安を増長させます。
血圧や糖尿病や癌とは同じ病気というカテゴリーではありますが、血圧が高いから恥ずかしくて会社に行けないという患者さんはいなくても、鼻の頭の「ニキビ」一つで会社に行きたくない営業マンがいるのは事実です。
ですからたかが虫刺されでも、「虫刺されです、うつりません」と診断する意味があると思って診療してきました。
ただ、もう少し皮膚病に関する正しい情報を発信し、受診せずとも不安が解消できる機会を増やした方が良いのかなとも感じました。
岩田先生のこんな医者はダメの中では、患者さんが自分の飲んでいるクスリの説明をはじめた時に面倒そうな対応をとる医者はダメといった解説をしており、ドキッとしました。
私は塗り薬が中心なのであまり飲み合わせを気にする機会も少ないので、ついつい「あ、飲み薬は出しませんので大丈夫ですよ」と遮ってしまうことが多かったかなと反省させられました。
確かに日本人は病院が大好きです。検査も薬も大好きです。ただ薬をもらって安心するのは好きですが、真面目にキッチリ飲むのが好きな患者さんはさほど多くないのではと感じています。
「随分沢山の薬飲まれてますね~」「えー、でも薬害が怖いから半分に減らしてるんです」といった会話になることも珍しくありません。
10種類近くの薬をもらっている患者さんがすべての薬を真面目に使うと、薬のよくない面が目立つようになり処方する医者も処方される患者さん側も薬を整理しようと真面目に考える機会が増えて、結果的に国の医療費も減るのかな~と思ってしまう今日この頃です。