スキンケアの第一歩 汗をかこう!

 八月ですね。今年の夏は蒸し暑いですが太陽がギラギラでて暑いという日がすくないせいか、
例年より、チャドク蛾やブユなどの虫刺され、さらには
かき壊しによるとびひの患者さんが少ないように思います。
年々天候が不順になり、季節を読みにくく感じているのは私だけでしょうか。
さて、今年も時間があれば様々な学会・セミナーと顔を出しておりますが、
最近、参加した学会や勉強会で汗に関する話を聞く機会が増えてきました。
私が入局したころはアトピー性皮膚炎の患者さんなどは汗をかくと痒くなるので、
汗をかいたらすぐふいて、清潔を保つように指導するのが一般的でした。
しかし、最近の研究ではむしろ汗を積極的にかいたほうが皮膚によい影響をあたえるのではという意見が大勢を占めつつあります。
ただ、単に汗をかけばいいわけではなく、「質のいい汗」をかかなければならない
というのが理論の根底にあります。
というのも、普段汗をかき慣れていない方は、汗をかこうと思ってもなかなか汗の管が
目を覚まさないので数少ない活動している汗の管に汗が集中してしまい、お盆休みの高速道路のように汗の渋滞がはじまり「質の悪い汗」が出てきてしまいます。
「質の悪い汗」はほっておくと痒みを引き起こします。
アトピー性皮膚炎などの皮膚が刺激に敏感な人はこの時点でギブアップ。
すぐに冷たいものをのんで、エアコンをつけて汗を止めようとしたくなります。
しかし、この汗を出さないようにと繰り返し歩んできたせいで乾燥肌がよくならないのではないかと考えられ始めているのです。
はじめのうちはドロドロの質の悪い汗が苦しい思いをさせるかもしれませんが、夏の間に訓練してサラサラの「質が良い汗」をかけるようになれば乾燥肌ともさよならです。
汗は人間にとって最適の保湿化粧水であり、有効成分として含まれる様々な要素には殺菌作用も含まれています。
乾燥を防ぐためだけでなく、皮膚の表面の常在菌のバランスを維持するためにもとても大切です。
エアコンをフル活用して乾燥肌を助長し、工場で作成された化学物質で保湿をするよりも、
適度な運動と汗をかきやすい内臓を元気にする暖かい食べ物を食べてよい汗をかくほうがしっとりすべすべ肌を作れるはずです。
 昔、祖父母から夏に冷たいものばっかり食べてると夏バテするから、夏こそ暑いものを汗かいて食べるんだぞ。と言われたことを思い出します。内臓を温めておけば体の働きを支える酵素が十分活躍し、代謝を高め元気な体作りができます。代謝が保たれればよい汗をかき、温度調節もしやすくなるので熱中症にもかかりにくくなります。
皆さんも今年の夏は内臓を冷やすアイスやかき氷を減らして、常温の水を飲んで、温かいご飯をゆっくり噛んで食べてサラサラで質の良い汗をかける体作りを目指してみてはいかがでしょうか。