TVって凄いなとここ2日で改めて思い知らされています。
急に何を?と思われるでしょう。
ここ数日でホクロの診察を希望される患者さんが極端に多くなりました。
どうやら民放のゴールデンタイムに皮膚ガンを取り上げたようで、通常の診察のついでの方もいれば、ホクロの診察だけの患者さんもたくさんいらっしゃるようになりました。
通常、ホクロの診察ではダーモスコピーという拡大鏡を用いて、色素の分布と配列、濃淡などから先駆者の先生方が検討を重ねて下さったパターン解析に乗っ取り診察を行います。
この手法が皮膚科医に一般化するようになってまだ10年ほどですので、私個人もお恥ずかしい限りですが修業中で、判断に迷いがある時は近隣の機関病院にご指導を頂いている次第です。
今回、この話をとりあげたのはメディアの良い面を実感するとともにその影響力の大きさに驚かされました。
実際、当院だけでも2日で数十名のホクロの診察依頼があり、機関病院に紹介させて頂いた患者さんも数名いらっしゃいました。
おそらく、全国の皮膚科で同様の現象が起こっていると思われ、今回のTV番組の影響で数十万人のホクロの患者さんが診断を受け、初期のメラノーマもおそらくそれなりの数で発見されたと思われます。
メディアの最も有用な啓発活動の成功パターンと言えるのではないでしょうか。
ネットの普及で情報が双方向になり、受け手の情報の選択権が大きくなっている昨今ですが、今回の出来事を通してまだまだマスメディアの責任は重大だなと思い知らされました。
有益な正しい情報を良心的に報道して欲しいものです。
(無題)
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