洗うな その②

さて、今月も「洗うなシリーズ」の第2弾です。
2回目のテーマは「シャンプー・リンスなんて必要ないじゃん!」です。
「頭のかゆみが取れなくて・・・・。ちゃんと毎日洗ってるんですけど・・・。」
「フケが増えてきたのでフケ用のシャンプーに変えてみたんですけど・・・・。」
頭皮の「フケ・かゆみ」で苦労されている患者さんはかなり多いように思います。
実際、最近はコマーシャルで「頭皮湿疹」用の塗り薬がジャンジャン紹介されています。
扱いの量からすると手湿疹以上ではないでしょうか? 
逆に考えればそれだけ「頭皮湿疹」なるものが増えていて薬の市場としての魅力が十分あるということなのでしょう。
フケ症・頭皮湿疹はおおよそ刺激性皮膚炎という部類に入るものがほとんどと思われます。
根本的には自分の「肌力」を上回る「ダメージ」が加えられると皮膚炎がおきるという単純な考え方です。
ですから、「肌力」>「ダメージ」の関係を作ればトラブルはなくなるというわけです。
では、「肌力」を上げるにはどうしたらよいのでしょうか?
まあ、簡単に言えば「良い子」にしていればいいわけです。
1)規則正しい生活リズム。
2)バランスのとれた食生活。
3)ストレスの少ない日常生活。
すべての病気に共通するセオリーです。
では、「ダメージ」とは具体的にどんなものなのでしょうか?
1)放置した汗 
2)酸化した皮脂 
3)シャンプー・リンス・トリートメント 
4)過度のブラッシング 
5)毛染め 
6)整髪料 
7)髪をきつくまとめる 
8)枕との摩擦
などが代表的ではないでしょうか?
では、それぞれの対象法を考えてみますと
1)汗は水・ぬるま湯ですすぐ
2)酸化した皮脂はぬるま湯ですすぐ
3)-7)は全部やめちゃって、
8)は材質に注意する(低反発・ビーズ・そば殻は摩擦が強いので後頭部の頭皮の状態が悪いときは避ける)
てな具合でしょうか?
この中で患者さんたちとお話ししていて使用中止を説得するのが一番難しいのが「シャンプー・リンス・トリートメント」でしょう。
私は数年前から自分を実験台にしてシャンプーしない状態を継続しています。
決して洗わないわけではありません。お湯でゆっくり時間をかけてすすぐのです。
実際、やめる前よりフケも気にならなくなくなり、頭皮は絶好調です。
しかし、シャンプーしてないと言った瞬間、「この医者臭そう〜。」という顔をされますし、実際ちょっと体勢が引き気味になる患者さんも少なくありません。
でも、本当に肌の調子は良いのです。
当然、食事をはじめ「肌力」も上がる「良い子」生活になるよう極力?務めてもいますので、以前より「加齢臭」も減ったと思っています。
手荒れでガサガサになったことのある方であれば、その状態で皿洗いなどの洗剤などに触れれば皮膚の状態が悪化するのはご理解いただけると思います。
頭皮も同じで、荒れている状態でシャンプー・リンスを使えば当然悪化します。
汚れがどうしても気になる患者さんも多いようですが、先ほど書いたように、お湯ですすげば不要な汚れは落ちます。
シャンプーずっと使っていた状態で急に中止すると、過剰に洗浄され奪われた皮脂を必死で補充してきたわけですから、当初の数週間は皮脂が多いように感じる方もいます。
ただ、余った状態にあることになれると頭皮も調節をして余計な皮脂を作らなくなり1ヶ月もすればべたつかなくなります。
はじめは2,3日に一度少量のシャンプーを使う、それを週に一度とかにして初めて見るのもいいかもしれません。
背中や胸元のニキビも減りますから、是非今日から「湯しゃん」に挑戦してみてはいかがでしょうか?