爪水虫

忙しい社会人でたまにしか自分の足をまじまじと観察する時間が無かったり、

時間はあるけど節々の痛みがあり、足先まで目が届かないなどの様々な理由で自分の体の末端で起きる変化に気づけない人が大勢います。
爪水虫〔爪白癬〕もその一つかもしれません。

女性の場合はペディキュアを取ってみたら爪が白くなってました…。てな事も珍しくありません。
昭和の初めの生まれの方にしてみたら水虫なんて不治の病で「爪水虫なんて治らないんでしょ〜」とおっしゃる方も未だに珍しくありません。

しかし、白癬に有効な内服薬が保険適用になって以後、爪水虫もしっかり続ければきちんと治癒する病気になりました。
ただ、お薬の飲み合わせの問題や副作用への不安から服薬治療を諦めていた患者さんもまだまだ多かったのが実情です。
そんな中、二年半ほど前にクレナフィンという塗り薬の新薬が発売されました。

これまでの塗り薬と違い、爪水虫に対して外用による明らかな有効性を示した画期的な薬剤として登場しました。

発売当初は保険薬のルール上、安全性の確認もあり一度に一本程度しか処方できない上に3割負担で一本1500円を超える高価な薬剤でもあったため、なかなか継続できない患者さんも多く、処方するのをためらう事も多かったのですが、一年を経過したのち複数本処方できるようになると多くの患者さんが継続による効果を実感するようになり、これまでなかなか良くならずに何年も古い薬剤で我慢してきた患者さんも良くなりましたと喜んでくれるようになりました。

そして、昨年春にルコナックという同じく爪水虫に有効性を持つ塗り薬の新薬が加わり、内服での効果が不十分な人でも外用により改善するケースも見られるようになりました。5月からはルコナックも複数本処方できるようになりますのでますます治療しやすくなると思います。
まあ、いくら治療法が進歩したからとはいえ、爪水虫は治癒まで数ヶ月から一年半以上かかることもあるのでかからないに越したことはありません。
忙しい方でも週に一度は足の隅々まで観察するようにして足の水虫を発見し、爪水虫に移行する前に治療したいものです。