ニキビ

3月になり今年度も最後になりました。
三寒四温とはいうもののその変動の大きさについていくのも大変です。
小学校や中学校では卒業シーズンを迎えセンチメンタリズムにはまりながら自分なりの卒業を模索する多くの子供達にうまくついていけず、感傷の消化としての皮膚症状の悪化を生じる子どもも少なくありません。
特にニキビなどはその代表かもしれません。
以前に比べてTゾーンを主体とした皮脂の多いニキビの子は少なくなりました。
その引き換えに「スキンケア」の名を借りた行き過ぎた強い洗浄刺激を繰り返した結果、頬からフェイスラインにかけての乾燥に傾いた肌荒れからくるニキビが増えているように思います。
「卒業写真くらい綺麗に写りたい」と「ニキビ専用」のスキンケア製品でしっかり洗顔したり化粧水やら美容液やらで保湿したり、よくならないので腫れたニキビを、早く治れと潰してみたり…。
確かにニキビで悩む人の中には市販のプロ◯◯などのスキンケアでよくなる人も沢山います。
ただ、人により肌質が違います。本来なら皮膚科医がその辺りをもう少し時間をかけて説明すべきなのでしょうが、思春期で斜に構えた学生を前にして外来の短い時間で説得するのはなかなか難しいです。
クリニックで、一通りの説明と処方をしても二週間で結果が出なければ効かないと判断してしまいます。
しばらくして来院した時にはこちらの説明はまったく無視され「友達に勧められたからこれを使ってます」と…。市販のスキンケア製品に逆戻りして更に悪化したりしています。
やるせない気持ちになるのと同時に自分の不甲斐なさを痛感させられます。
親御さんによっては「たかがニキビ」とおっしゃるかたもいますが、傷痕になったニキビは元の肌質には戻せません。早めの正しい治療が必要です。
きちんとした皮膚科医にかかれば友達よりずっと正しい知識と治療方法を提供できると思いますので相性のいいドクターを探してみて下さい。