IT化

診療所にもIT化の波が押し寄せています。
国民皆保険制度が未だに維持されている我が国では、
ほとんどの人が保険証という割引券を携帯し、少なくとも7割引以上の安価な自己負担で医療機関にかかることができます。
医療機関は残りの7割以上の費用を国ないし支払基金に患者さん1人づつの請求書を作成し、請求内容が正しいかを審査員が判断して最終的に認められた金額が1ヶ月ほど遅れて支払われるという仕組みになっていました。
これまではこの審査の大半を人間の目で確認していましたが、
ここ数年急速に、コンピュータによる査定が進み、審査もデジタル化されるようになりました。
そのため、これまで以上にルールが細かくなり、拡大解釈して使用していた薬や治療行為も限定されるようになってきました。
今後も国民に対し背番号がつけられるので何年も遡ってどのような薬をどこでいつもらっているかまでデータとして蓄積されるようになると、薬をの過剰投与などを防げたりするメリットが増えます。
しかし、治療を受けても検査結果が良くならないと医療機関を変更するようにアドバイスできたり、果ては保険料が高くなったりするような差別的なこともデータの蓄積を理由に可能になるのかも知れません。
これを判断するのが人間でなくコンピュータが出したデータになるわけで個人には反論のしようがなくなってくるのでしょうね。
これからの十年は人工知能に支配されるのかうまく付き合うのか瀬戸際のように思われます。
いつの間にか人工知能に飼育される家畜にならないよう慎重でありたいと思うものの次々と便利になるIT技術に魅了され続ける今日この頃です。