皮膚科が混雑する季節です。

早いもので今年も上半期を終え、折り返しを迎えるとともに、本格的な皮膚科のシーズンを迎えようとしています。
ここ何年かで湘南地区の皮膚科の先生方が徐々に世代交代や引退などでお辞めになり、皮膚科医の絶対数の不足がじわじわと進行中で、お困りの患者さんが増えてきております。
当院に初めていらっしゃる患者さんにも待ち時間などで不自由をおかけしている事は理解しておりますので、受診回数も必要最小限で済むよう努力をしてまいりたいと思います。
さて、皮膚科シーズンの筆頭はやはり水虫ですが、侮れないのが虫刺されです。
今年は6月に入った頃から毒蛾皮膚炎が増え始めました。
これは毛虫の毒針が付着して発症する皮膚炎ですが、症状が出るまで24時間以上かかることが多く、直接触れなくても虫が生息する木の下を通っただけでも上から毒針を噴射される場合もあるので要注意です。
そして数はまださほど増えてはいないのですが、処置を誤ると厄介なのがマダニです。吸血当初は数ミリで気づかないのですが吸血し続けるうちに風船のように膨らみます。これをゴミやかさぶたと思いむしり取ってしまう患者さんが少なくありません。しかし、マダニは吸血する際にネジのように皮膚内に頭を埋め込み簡単に外れないようにし固定しておりますので無理に引っ張ると頭だけちぎれて皮膚内に残ってしまいます。
すると数ヶ月のうちに異物反応が起こり、手術的に大きくえぐり取らなければならなくなります。また、媒介する病原体もありますので、マダニらしき謎の物体を見つけた場合はどんなに気持ち悪くてもむしり取らずに皮膚科を受診して下さい。
それでは、まだまだ夏本番でもないうちから暑い日が増えている今年ですが、冷たいものの取りすぎに注意して夏を乗り切りたいものです。