洗うな その③

いよいよ今月で「洗うなシリーズ」の第3弾。最終回を迎えます。
最終回は当然「顔洗うのに洗顔料はいらないんじゃない?」です。
「季節の変わり目になると肌荒れがひどくて」「清潔を心がけてたけど、この前たまたまメイクを落とし忘れたらニキビができちゃって・・・。」「生理前になると肌の調子が悪くて」
季節の変わり目や体調の変化、日常生活のストレスなど、肌荒れの原因と思われがちな理由はいくらでも思い当ります。
ただ、第2弾でもお話ししたように、「肌力」>「ダメージ」でトラブルがなくなるわけですから、ストレス社会のこの日本で暮らすうえで、肌力を上げ続ける事はなかなか難しいので、「ダメージ」を如何に減らすかがポイントになるのではないのでしょうか?
そこで、顔にかかる「ダメージ」は?となるのですが、第2弾とかぶる部分も多々ありますが、ざっと下記のようなものになります。
1)放置した汗
2)酸化した皮脂 
3)シャンプー・リンス・トリートメント
4)クレンジング
5)洗顔料
6)化粧水・乳液・美容液
7)花粉・黄砂・PM2.5
8)枕・シーツの摩擦
9)メイク用品
10)日焼け止め
11)毛先 
顔に触れる可能性があるものはかなり種類が多く、すべて避けきれない場合もあります。
上に挙げたものをできるだけ避ける方法を考えてみると・・・。
1)2)は前回同様、ぬるま湯ですすぐ
3)はシャンプーリンスを止めるか、顔だけを考えた場合は、すすぎの水も顔にかからないように気を付ける。
そして、これらのダメージの中でシャンプーリンスに次いでクレンジング・洗顔・基礎化粧品が最も肌への負担が大きいと思われます。
良く患者さんの肌のきめを確認するのですが、しっかりケアをしてきた方のキメを確認すると、首回りやあごの下の皮膚に比べて、頬の皮膚は薄くてキメもほとんど残っていないことが多いのです。
つまり、やればやるほど素肌の能力がなくなりやせてしまうのです。
例えは良くないかもしれませんが、化学肥料ばかりだと土が痩せてしまうのと似ているのではないでしょうか?
クレンジング・洗顔でもどもど肌にあるセラミドや天然保湿因子をワザワザ奪って、
工場で製造した保存料や防腐剤がしっかり添加された基礎化粧品を注ぎ込むわけですから皮膚に良い働きをしてくれるとは思えません。
それよりも自分の持ってるものを大切に温存した方がよっぽど安全で健康な美しさが手に入ると思います。
近年は気候や世界の経済活動の影響もあり花粉や黄砂、PM2.5など空気中を舞う刺激物が増加しており、避けて過ごすことが難しくなっています。
ですから、避けられるところをしっかり避けていかなければ肌の健康が保ちにくくなってきています。
メイク用品や日焼け止めもワザワザクレンジングせずともお湯で落ちるタイプも増えてきております。
メイクの仕上がりが素肌の美しさよりも優先されたい方はある程度のダメージは覚悟していただき、素肌の美しさを優先できる方は考え方をガラッと変えてみると楽になるかもしれません。
高い化粧水や美容液を買い続けるより、そのお金を貯金に回して将来美容医療にドーンと回した方が効果的ではないかと考える今日この頃です。